<こどもどうしと+1のかいわ>
「よーやく、パパから離れられたわ!」
「そんなこと言ったら、ジェイムズさん可哀相だよ…」
「あなたにはわからないわ。あなたのパパはジョージなんだから。私達のパパったらマナーとかにすごーくうるさいの。いいえ、マナーとかだけじゃなくて、なんでもかんでもとにかく小煩いの!ねぇ、姉様?」
「うん、本当。でもママもパパもラブラブなんだよねぇ…不思議。性格全然違うのに…」
「お姉様達はまだいい。…僕なんてパパに目の敵にされて…」
「そんなことないよ!ジェイムズさんだって心配してるだけで…」
「煩い!お前に何がわかるんだ!」
「お~い、菓子持って来たぞー!」
「まぁ、おいしそう!」
「パパがいると、あんまりお菓子食べさせてもらえないもんねー」
「これ、ポテトチップスって言って…」
「いちいち説明しなくていい!僕のこと箱入りだと思ってるだろ!?」
「先食べちゃうよー☆」
「え、お姉様、せめて僕の分は…」
「姉様、私の分だけ残しておいてくれればいいわ♪」
「二人で全部食う気かよ!?」
「おーい、そのメンバーでそれだけじゃ足りないだろう?」
「お父さん!」
「親父っ!」
「こんな時のために、安売りの時にまとめて買っておいてよかった。さぁ、存分に食べていいぞ」
「まぁ、ジョージ、お父様って呼ばせて!」
「私もお父さんって言うーー!」
「僕は言わない…」
「いやー、うち男ばっかりだから、一人追い出してそれでも…」
「親父ひでーぞ」
「お父さん酷い!」
「今のうちに…(こそこそ)」
「あら、それは私が目をつけてたの。駄目よ」
「う…すみませんお姉様…」
「仲良くわけるんだぞー」
「そういえば、なんの話してたんだっけ?」
「パパの話よ。姉様。小うるさいって」
「確かにウザそうだよなー、あの親父」
「兄ちゃん、なんてこと言ってるんだよ!」
「…実際そうだし…」
「まぁまぁ、ジェイムズだってお前達のことが可愛くて仕方ないんだよ」
「それとこれとは話が違います。だいたいママも私達のこと、パパに投げっぱなしなのよ!」
「僕はママに構われすぎて困ってるけど…」
「そうなのよ!!ママはこの子ことばっかり可愛がって!ママ、家にほとんどいないのに!いる時はこの子にべったりなのよ!?」
「いや、どっちかっていうと放っておいてほしい…」
「まぁ、初めての男の子だから、可愛いんだろ?」
「ええ、じゃあ、私達のことは…!?」
「二人ともしっかりしてるし、信用してるんだよ」
(親父いい丸め込め方だ…!)
(お父さんすごい…!)
(え、それって僕が信用されてないと…?)
「ま、まぁそうかもしれないけど…」
「でもママ、せっかく今仕事休みなのに、お隣さんのとこばっかりいってるよねー…」
「お隣さん、色々あったんでしょう?」
「らしいな…夫婦喧嘩かなんだかよくわからないけど。パパもママも僕達には教えてくれないから。」
「お隣の旦那さん素敵よね?」
「え”えええええええっ、変な趣味…」
「お姉様酷いわ!」
「格好いいの?」
「僕は見たこと無い…パパが会わせないようにしてるから」
「ほーら、やっぱりパパは過保護なのよ!」
「ねぇ、あんまり悪口言うのやめようよ。ジェイムズさん、僕に『3人と
仲良くしてやってくれ』って言ってたよ?」
「あ、俺にも言いに来てた」
「ええ、そんなこと言ってたの!?」
「まぁ、やってそうだけど…」
「勘違いしないで。悪口じゃないの。愚痴ってただけよ!…隣の旦那さんみたいなパパがいいわ~」
「…パパ、『隣の男みたいにだけはなるな』って言ってた」
「パパみたいな男にこそなっちゃ駄目よ!」
「お…、電話電話。仲良くしてるんだぞ~」
「おおジェイムズ、そっちの方は解決したのか?」
『…なんとかな。傍迷惑な連中だ』
「年くってからの子どもだからなぁ。色々不安だったんだろ、アンシェルの奴も」
『そんなところだな。…ところで子ども達は?』
「元気元気!フルスロットルって感じだぞ」
『フルスロ………。まぁいい。27分後にはそちらに迎えにいく』
「(分刻みだ…)ああ、ところで」
『なんだ?』
「あんまり、厳しくしすぎるなよ。自分にも、子ども達にも」
『……覚えておこう。それでは、また』
「お待ちしておりますっ!」
「こいつらすげーな。人んちで寝るか普通。しかもすげー格好」
「お姉様達はしたない…(涙)」
「疲れちゃったんだよ、きっと。ねぇ、ブランケット持ってきてあげた方
がいいんじゃないかな?」
「…確かに。前二人そろって風邪ひいてたし。…大変だったんだあの時」
「…何が?」
「パパが異常に心配して…憔悴して二人につきっきりだったんだ。ちょっと寝ればすぐ治るものを」
「『代われるなら代わりたい…』とか言いはじめたんだろ?」
「言ってた」
「そうなる前に、ブランケット取りに行くか」
「うん!」
「ああ」
「う~ん。パパ大好き~…、一緒におやつ食べようよ~」
「もっと遊びましょ~…パパ……ママも一緒に……ねぇパパ……」
END
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